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大ちゃん先生コラム
2025.06.04
「あなたのせいで、娘からしこたま怒られたのよ!」。銀髪のおばあさんは顔をしわくちゃにして私に抗議の声を上げました。「特に問題でもなんでもないことをわざわざ掘り返して。こちらは大迷惑なの!」。強い言葉に、私はショックを受けましたが、隣では娘さんが私以上にひきつった顔をしていました。
「母さん、せっかく調べていただいたのに、なんてことを言うのよ!」。そこからは、盛大な親子ゲンカの始まりです。もはや相談どころの話ではなく、ため息しか出ないような、ひどいありさまでした。
私も相続支援コンサルタントになりたての時は、「相続の知識は万人に必要なもの」、「一人でも多くの人にこの知識を広めて、相続で苦しむ人を減らしたい」と純粋に思っていました。しかし、時が経つにつれ、「人には多種多様な考え方や価値観がある」ということを学びました。
「相続」という言葉に「自分の死」を連想し、強い拒否反応を示される人は少なくありません。こちらが良かれと思ってしたことでも、その人が望んでいなければ、それは「よけいなおせっかい」にしかならないのです。
銀髪のおばあさんの状況は、相続のプロの目から見れば「病気だらけ」でした。所有されていた自宅と賃貸アパートは、親子3人(おばあさんと2人の娘)での共有状態になっていました。さらに、自宅近くにある池ののり面(傾斜地)には、おばあさんの父親の名義が残っており、約100人の他人との共有名義であることが判明。また、50年以上前に取り壊した元自宅(馬小屋など)が滅失登記されておらずまだ残っているなど、登記上だけでも問題がてんこ盛り。さらに、長女とはなんと音信不通。結婚したらしいとのことですが、お相手と会ったこともないとか。お相手の連れ子と養子縁組をしたとか、していないとか…。
危機感を感じた次女が、まさしく母親を「ひきずって」相続相談に来られたのですが、その結果が冒頭の発言です。
親子で言い合って、少し落ち着いたかなという頃合いで、おばあさんは「お手洗いに行く」と言って席を立たれました。そして、そのまま面談には戻らず、裏口から帰ってしまいました。私は、顔を真っ赤にして謝る次女さんをなだめながら、問題点を紙に箇条書きにしてお渡ししました。その親子とは、それっきり。その後のやりとりはありません。
「後世に問題を残したくない」、「子孫に迷惑をかけたくない」。残念ながらこれは世の中の全員に共通する思いではありません。例え、お医者様でも「痛くない」、「症状はない」と言われれば、出せる処方箋はないのです。
しかし、セミナーや相談に来られた人は、何かしらの不安を感じた人たちです。万人は救えないまでも、せめて「痛みがある」、「薬がほしい」と言われる人には、全身全力で応えたい。そう気持ちを新たに、これからも精進していきたいと思っています。
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