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大ちゃん先生コラム
2024.11.12
「丸いケーキを、ケンカにならないように、きれいに切り分けたい」。このような相談はとても多いです。私も娘が2人いる親ですので、その気持ちは痛いほど分かります。しかし、その思いは往々にしてトラブルの元となります。今日はよくある「一見、家族思いに見える人」の話をします。
「亡くなった時点での価値も平等にしたいし、将来そこから生まれる収入も同じくらいにしたい」
その相談者はとても強い思いをお持ちでした。口癖は「平等にしたい」「子どもに嫌な思いをさせたくない」。見た目も話し方もやわらかい印象の男性で、おそらく一般的には「とても家族思いの優しい人」というイメージを持たれるのかな、という方でした。
その方の財産は、①更地(駐車場)、②賃貸アパート、③預貯金の3つで、時価評価は3つとも同じくらい。子どもはA・B・Cの3人。「そろそろ遺言書を書きたいのでアドバイスしてほしい」と来社されました。
遺言書の書き方としては、大きく二つあります。一つは、「2分の1は誰に・3分の1は誰に」、と分数や割合で書く方式。もう一つは、「これは誰に・あれは誰に」と物を特定して書く方式です。前者の「分数や割合で書く方式」は「資産の共有」を生み出してしまうので、絶対に避けるのが鉄則。よって私はその方に、遺言書は「①はAに・②はB・③はCに相続させる」という「物を特定する方式」で書くべきだ、と助言しました。
しかし、その方は私のアドバイスにとても面食らった様子で、強く反対されました。
「それだと不平等になってしまう」
「駐車場は収入が大きくない。アパートはいずれ屋根や外壁修繕工事で出費が大きい。預金はいずれなくなってしまう。私は全部、3等分にする遺言書を書きたいのです」
「子どもたちは今でも仲良く、ケンカなんてしたことはありません。賃貸不動産経営だって、3人で手を取り合って、協力してやっていけるはずです」
自分が良いと思っていたことを、「違う」と言われた時のココロの抵抗はよく分かります。人間誰しもあるものです。しかし専門家と言うのは、相談者の何倍もの「症例」を見ています。例えば、タバコを吸っている人がすべて肺がんになるわけではありません。しかし、肺がんになる確率は確実に跳ね上がります。そう伝えるのが専門家の仕事であり、責務なのです。
声を大にして言います。「資産の共有」は、子孫が苦しむ原因となります。私たち相続の専門家は、資産が共有になるような遺言を書く人を「家族思い」と呼ぶことはできません。それは、家族の誰かから恨まれることを恐れるがあまり、「問題を先送り」にしているだけです。
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