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コラム「笑えるようで、なかなか笑えない」
2023.02.16
「一人でも多くの方が、一刻も早く、元気なうちに遺言書を作成してほしい」。これが私たちの
願いです。今日は、とあるおばあさんが起こした「笑えるようで、なかなか笑えない」お話しを
させていただきます。
「私には子どもなんていません!」と、ある公証役場の一室で、95歳のおばあさんが大きな声を
張り上げました。「私は若い時、小さいわが子を病気で死なせてね。とても辛い思いをしたの
ですよ……」。
打ち合わせの時に、何度も繰り返し聞いた、おばあさんのココロに深く刻み込まれた悲しい
お話しです。
それがまた、始まってしまいました。それも、遺言書を作る本番当日の、公証人の目の前で。
おばあさんの最初の子(長男)は、病気によってわずか5歳でこの世を去られていました。
しかしその後、二人の子(長女と次男)を授かり、立派に育て上げられています。しかし、お年を
重ねるごとに、最近のことをどんどん忘れてしまい、昔のことばかりお話しになるようになられて
いました。95歳という年齢を考えれば、しかたがないことです。
ただ、その記憶の遡りが、まさか遺言書を作る当日に始まってしまうとは思いもしませんでした。
遺言書は、おおよそ「次男には不動産を、長女にはそれ以外を相続させる」という内容でしたが、
それを確認している最中に発せられた「私には子どもがいない」発言。証人として横にいた私も、
目の前で遺言書を読み上げていた公証人も、目を真ん丸にして、しばし絶句してしまいました。
遺言者が内容を忘れたり、言葉に詰まったりしても、横にいる私(証人)が助け舟を出すことは
できません。私はどうしたものかと思案し、公証人の目をじっと見つめました。公証人は腕を組み、
思い悩んだ末、このようにおっしゃられました。
「控え室に息子さんか娘さんは来られていますか。もし来られていれば、呼んできてください」
本来であれば、子どもは証人にはなれず、公正証書遺言の作成に立ち会うことはできません。
しかし、公証人も子どもの存在を思い出すきっかけになればと思ったのでしょう。読み上げを
中断して一旦休憩とし、子どもが顔を出すことを許してくれました。
「母さん、オレオレ!あなたの子ども!姉さんも来ているよ。一緒に車で来ただろう?」
「ああ、そうだった。息子おった。娘もおった。そうだった、そうだった。」
「もう、母さん、頼むよ!」
95歳のおばあさんが起こした、ウソのような、本当の話しです。
コメント
ほとんどの方にとって、公正証書遺言の作成は「非日常」で「初めての体験」。少なからず、
緊張してあがってしまうものです。初めて来た公証役場、初めて会う公証人、
初めて体験する法的な儀式。イスに座った瞬間、自分の生年月日や今の住所を言えなく
なってしまう方もいます。急に体が震えだしたり、血圧が上がったりする方もいます。
焦りのあまり混乱して、まったく別のことを話し始める方もいます。
驚かせているわけでも、脅しているわけでもありません。あなたも、私も、誰しもが、
「高齢になると」そうなるかもしれないのです。
「一人でも多くの方が、一刻も早く、元気なうちに遺言書を作成してほしい」。これが
切実な願いです。
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