お知らせ
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◎相談事例◎土地の贈与について
2022.12.10
【内容】
今、お隣に1部⼟地を譲るので⽗と暮らしていた不動産の相続登記をするとこになりました。
⺟、⻑男、⻑⼥と私次男で話し合って同居してた次男1人で相続登記をすることになったのですが⻑男からお⾦とかは今すぐじゃなくていいから⾃分の⼦供の代の時に何か還元できたら良いと⻑⼥もそれで納得をしています。ただその時に贈与税はかからないようにしてと言われました。しばらく数年以上はこの不動産に住み続けるつもりですが売却した時に贈与税がかからないように分配したいです。
①代償分割にして支払いは売却した時の3分の1と明記する事で贈与税の発生を防げるものでしょうか?
期限を設けないとダメなのかさらに期限が過ぎたら無効になるのかはたまた期限を設けないことは可能なのでしょうか?
②相続してしばらく住み続ける不動産を売る時に贈与税がかからなく分配する手段はありますでしょうか?
【回答】
質問①
代償分割にして支払いは売却した時の3分の1と明記する事で贈与税の発生を防げるか?
回答①
この記載の仕方では、そもそも代償分割に該当しない可能性が高いです。
売却時の代⾦を3等分にするわけですから、「代償分割」ではなく「換価分割」とみるのが⾃然です。税務は登記内容より、実質が優先されます。(そもそも、この遺産分割協議書で登記できるか疑問です。)税務署も同様の判断となる可能性が高いです。
この場合は、売却代⾦はそれぞれ3等分になりますが、譲渡所得税申告・納付もそれぞれに行う必要があります。
質問②
相続してしばらく住み続ける不動産を売る時に贈与税がかからなく分配する手段はあるか?
回答②
「代償分割」「換価分割」の二つの方法が考えられます。
1.代償分割
遺産分割協議の時点で、代償⾦の額や支払期限を確定させるのが通常です。
メリットとしては、「確定させた⾦額」の受け渡しであれば贈与に該当しないと言う事です。当事者が同意していれば、分割払いや支払いを⻑期に猶予することも可能です。なお、将来不動産売却時の譲渡所得税の計算上、次男の居住用不動産として「3,000万円の特別控除」の特例が使えます。
デメリットは、実際の売却代⾦がその時にならないと分からないと言う事です。不動産の価値が、現在より上昇しているかもしれないし、下落しているかもしれません。
いずれにしても、代償⾦額を事後的に変更することはできません。相続後における「不動産の含み(変動)損益」は所有者(次男)にすべて帰属する、と割り切るしかありません。
また、支払期限を定めた場合、その期限が到来した日から5年で消滅時効です。期限を定めないことも可能ですが、その場合は合意時(=遺産分割協議の合意時)からいつでも請求可能となります。請求されたら、相当期間経過後に次男は直ちに支払わなければなりません。⻑男・⻑⼥側からすれば、合意から5年以内に請求しなければ消滅時効が完成してしまいます。支払期限を過ぎても直ちに代償分割が無効になるわけではありませんが、遅延損害⾦の問題が生じるでしょう。なお、消滅時効が成⽴すると、その時点で次男が⻑男及び⻑⼥より代償債務相当額の贈与を受けたものとして、次男に贈与税が課税されます。
また、時効成⽴後に次男が代償債務相当額の⾦銭を⻑男及び⻑⼥に支払った場合は、単なる⾦銭の贈与に該当し、⻑男及び⻑⼥に贈与税が課されます。
2,換価分割(共有取得)
もう一つの方法は、不動産を共有で相続する方法です。
メリットは、売却時の代⾦が当然に共有持分割合に従って分配されるという事です。もちろん、贈与税も発生しません。次男が一人で使用する代わりに固定資産税も次男が一人で負担するなど、3人が合意すれば如何様にもできます。
デメリットは、売却時に売却益が発生する場合は、譲渡所得税の申告納付が3人ともに必要になることです。この時、譲渡所得税の計算時に「3,000万円の特別控除」が使えるのは、実際に居住していた次男のみになります。⻑男、⻑⼥は同特例が使えないため、次男より譲渡所得税額が高額になる可能性があります。
(まとめ)
最終的に3等分をお望みであれば、二つの方法からの選択です。
①今(相続時点)の現⾦価値で分割するのであれば「代償分割」。
②売却時点の現⾦価値で分割するのであれば「換価分割(共有取得)」。
①を選択したとしても、次男が「時効の援用(消滅時効の意思表示)」をしない限り、時効は成⽴しません。
時効が成⽴しなければ、上記1.に記載の課税問題が生じることもありません。
しかし、今後いずれかの時点で万一次男が心変わりをして「時効の援用」を行使した場合には上記の課税関係が生じます。次男の心変わりに対して⻑男及び⻑⼥が取り得る対策としては、時効が成⽴しないように定期的に次男に対して代償⾦の請求を行い「時効の中断」を行っていくことになると思います。
もしくは、①ではなく、初めから②を選択しておくことです。どちらも一⻑一短ありますし、なかなか難しい問題です。実行に際しては、具体的に専門家にご相談のうえで進めてください。
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