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賢い生前贈与のススメ②
2022.02.24
前回は贈与税がある理由や、贈与をする時に大切なことをお話ししました。今回は贈与について、より詳細な内容をお話しします。
贈与には2種類ある
皆さまは贈与制度には「暦年贈与」と「相続時精算課税」の2種類あることをご存知ですか。2つの制度は平行して利用することはできず、どちらかを選択して実行することになります。それぞれ解説していきましょう。
①暦年贈与
「贈与税は110万円まではかからない」という話を聞いたことがあると思います。この贈与を暦年贈与と言い、1月1日から12月31日までの期間で110万円までの贈与については税金がかからないというものです。理由は、贈与には110万円の基礎控除があるからです。しかし基礎控除額を超えて贈与した場合には、超えた金額に応じて贈与税がかかります。次の図をご覧ください。
例えば、父から子へ400万円の現金を贈与したとします。贈与した400万円から基礎控除の110万円を引くと、290万円になります。この金額に該当する課税価格のところを見ると、「15%-10万円」と書いてあります。
290万円の15%は、43万5000円です。ここから10万円を引くと、33万5000円になり、この金額が実際に支払う贈与税額になります。
暦年贈与で注意すべき点は、相続人に対して、贈与した方が亡くなった時からさかのぼって3年以内に行った贈与については、相続税がかかるというルールがあることです。そのため、亡くなる直前の駆け込み贈与は、相続税を下げる効果はありません。
ポイント
暦年贈与は、長い目でコツコツ行っていることがポイントです。
②相続時精算課税
この制度は、親子または祖父母と孫の間の贈与であれば、2500万円までは非課税で贈与できるというものです。しかし、活用できるのは条件に合う方に限られるため注意が必要です。それでは詳しく説明していきましょう。
この制度を使えるのは、60歳以上の親のみで、受ける方は20歳以上の子や孫に限られます。2500万円を超えた贈与については、一律20%が課税されますが、現金はもちろん、不動産や有価証券などの贈与が一度にまとめて行えるため、大きな金額を次世代の方に渡しやすくなるでしょう。
ただし、この制度を用いて贈与した財産は、相続時に「持ち戻して計算する」ことになっているため、相続税の課税対象となってしまいます。つまり、贈与の仕組みで相続税を下げる効果はないということです。
ではどのような時に有効となるのでしょうか。それは、土地や株など将来価値が値上がりしそうな財産、もしくは賃貸アパートなど収益を生む財産を移転させる時です。この制度のルールとして、相続税を計算する時の評価は「贈与をした時」となっています。
例えば5年前にこの制度を使用して2500万円の土地を贈与した方がいるとします。現在5000万円の価値になっていた場合、相続税評価は5000万円ではなく、なんと2500万円で相続税を計算していいということになるのです。
賃貸アパートでは、贈与する側が建物を保有し続けていると、家賃収入がどんどん手元に残ってしまいます。それを未然に防ぎ、資産が増えるのを避けるという目的で使用できます。
ポイント
相続税を下げる効果は薄いですが、資産の値上がりや収入が増えると相続税がかかってくるよという方にオススメです。
人によって持っている資産の種類や金額も異なります。それぞれに合った贈与の形で実行していきましょう。
生活費や教育費には贈与税がかからない
お子さまやお孫さまの中には、贈与されたお金を学費や一人暮らしの家賃などに使用しているという方がいらっしゃいます。もちろん、贈与で受け取った財産はどう使用しても問題ありません。しかし、少しもったいないことをしているかもしれません。実は、学費や生活費の贈与には、贈与税がかからないというルールになっています。そのため、お子さまやお孫さまに毎年110万円の贈与を行いながら、生活費や教育費の支援をしても、別途贈与税はかからない仕組みなのです。
ただし、次の点に注意してください。
❶必要な分だけ渡しているか?
→必要と認められない場合は、課税対象となります。
❷必要な時に都度、渡しているか?
→例えば大学4年間分の学費を一括で支援することは認められません。
❸きちんと使い切っているか?
→使わずに貯めておくと、贈与税の課税対象となります。
次回は、暦年贈与の注意点について細かく見ていきます。
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