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新型コロナと相続対策「新型コロナウイルス感染症が相続に与える影響とは」
2020.10.20
新型コロナの感染拡大による「緊急事態宣言」が5月25日に一旦解除されたものの、感染者数は7月に入って再び増加しました。この状況において、新型コロナが相続に与える影響とその対策についてご紹介します。
三つの調査結果から相続について考える
今回は新型コロナが相続に与えた影響について、三つの調査結果を基に考えていきたいと思います。
一つ目の調査結果は、「コロナで『相続考えた』2割」という見出しの日本経済新聞7月28日付の記事です。新型コロナの感染拡大によって将来相続人となる立場の子供が、親の相続について考えるようになったという、ランドマーク税理士法人の調査結果が掲載されています。
この調査は30歳代から80歳代の男女に対して行われ、新型コロナを受けて「相続について考えることが増えた」と答えた人が全体の17%を占めたことが分かりました。特に、相続人の立場となる30歳代が28%、40歳代が21%という結果になっています。
これまでは、親の相続については親自身が対策を検討するものだと考える子供が多かったかもしれません。しかし、相続人となる子供側も「なんとかしなければならない」と考えるケースが増えてきているということです。その理由として、新型コロナによる死亡者が世界的に増加し、特に高齢者については重症化リスクが高く、死亡者も多くなっていることが影響しているのではないでしょうか。
二つ目は、広島大学が8月4日に公表した、全国945施設・介護支援専門員751人のオンライン調査の結果です。
「新型コロナ感染症の拡大により認知症の人の症状悪化」が確認されたという調査結果が出ています。約4割の入所系医療・介護施設、約4割の介護支援専門員が、介護サービスの制限等で「認知症者に影響が生じた」としており、特に在宅者では半数以上が「認知機能の低下、身体活動量の低下等の影響がみられた」と回答しました。
高齢者は重症化するリスクが高いので、介護施設であっても自宅であっても、外出などで身体を動かす機会が減少していることなどが要因と考えられます。認知機能が低下してしまうと相続対策を行うことができないことから、この問題が相続に与える影響は大きいといえるでしょう。
三つ目は、7月31日に発表された厚生労働省の「令和元年簡易生命表」です。簡易生命表は、昨年1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定した時に、各年齢で1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したもので、平均寿命は現在0歳の子供が何年生きるかを示しているものです。
この資料によると、日本人の平均寿命は女性が87・45歳、男性が81・41歳と過去最高を更新しました(図表I)。昨年に比べ、女性は0・13歳、男性は0・16歳延びていますが、30年前の平成2年と比べると、男女とも約5歳も伸びています。ちなみに、昭和22年の調査結果と比べてみますと、平均寿命は30歳以上も伸びていました。
長寿になることは嬉しいことです。しかし、亡くなるまで体も頭も元気であればよいのですが、現実は高齢になるほど認知症を患う可能性が高くなっています。「平成30年版厚生労働白書」をみると、平均寿命と健康寿命の差は女性で約13年、男性で約9年もあります。
認知症にならないように食事や運動で対策することも大切ですが、万一認知症となり、認知機能が低下した後のことは、今のうちから考えておかざるを得ないのが現実です。
早期に認知症・相続対策の検討開始を
前述の調査結果を踏まえた結果、まず、簡易生命表の改定で平均寿命が過去最高となったことは、認知症になる可能性がある人が更に増えたといえます。
次に、新型コロナの感染が広がるなかで、認知症の人の症状が悪化しているということは、認知機能が低下して、ご自身で判断を行えない人が増えてきているともいえます。つまり、一刻も早く認知症対策や相続対策を検討しなければならない人が増えているということです。
一方で、新型コロナの感染拡大を受けて、将来相続人となる立場である若い人のうち、「相続について考えることが増えた」と答えた人が増加していることは、子供の相続への関心が高まっていると考えられます。
このような状況下にある今は、ご家族等の協力を得ながら、認知症や相続対策を検討されるべきタイミングといえるのではないでしょうか。
認知症対策と相続対策の手法は様々です。例えば、認知機能が低下した時でも銀行預金を下ろしたり、不動産の修繕や建て替えなどができるよう事前に任意後見契約を結んでおくことや、自分の考えや想いを反映させた相続ができるよう今のうちから遺言を作成しておくことも手法の一つです。
また、生前贈与で財産を移しておいたり、不動産を売却して分割しやすい現金にしておいたりすることも重要です。家族信託に取り組む、という方法もあるでしょう。これらは認知機能低下前に実行する必要がありますので、今のうちにご家族と一緒に対策を検討し始めてみてはいかがでしょうか。
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