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生命保険のイロハ「生命保険の仕組みについて」

2019.10.10

生命保険の保険料がどのようにして決まっているかご存知でしょうか。

何気なく支払っている保険料や「ソルベンシーマージン比率」など保険会社の仕組みについてご紹介します。

 

生命保険の仕組み

生命保険は、まず多くの人が保険料(掛け金)を負担し、財源をつくります。その財源をもとに、死亡した時や病気になった時に保険金や給付金を受け取る、という「助け合い」「相互扶助」の仕組みで成り立っているのです。

では、生命保険の保険料はどのように決まるのでしょうか。生命保険の保険料は、一般的には「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」の三つの予定率に基づいて計算されています。

「予定死亡率」…1年間に死亡する人数の割合です。過去の統計をもとに男女別・年齢別の死亡者数を予測し、将来の保険金の支払いに充てるために必要な保険料を算定します。この計算に用いる死亡率を予定死亡率といいます。

「予定利率」…保険会社はあらかじめ資産運用による一定の運用収益を見込み、その分保険料を割り引きます。この割引率を予定利率といいます。

「予定事業費率」…保険会社は事業の運営上必要とする経費をあらかじめ見込んで保険料の中に組み込んでいます。この割合を予定事業費率といいます。

 

保険料の設定方法

生命保険会社では、将来の保険金の支払いに備えるために、収入保険料の一部を積み立てておき、保険金を安定して支払えるようにしています。この積み立てを「責任準備金」といい、生命保険業界全体で315兆円(平成27年度末 ※一般社団法人生命保険協会の資料参照)という非常に大きな資金量となります。

責任準備金を資金として運用すれば当然収益が得られるので、その運用利回りをあらかじめ見積もって(予定利率)、その分だけ保険料を安くします。さらに、生命保険事業を営むための様々な経費(事業費)をあらかじめ見込んで(予定事業費率)組み込んだものが皆さまに提示される保険料(掛け金)となります。

「ソルベンシーマージン比率」

次にソルベンシーマージン比率について説明します。これは簡単に言えば「保険会社が保険金を支払う余力」の指標です。生命保険会社は、通常予測できる範囲のリスクについては責任準備金の範囲内で対応できます。しかし、大幅な環境変化によって、予想もしない出来事が起こる場合があります。例えば、大災害や株価の大暴落などです。このような通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうか判断するための指標の一つが「ソルベンシーマージン比率」です。

 

ポイント

ソルベンシーマージン比率の指標は200%と決まっています。2000%を下回った場合には、監督当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性の一つの基準を満たしていることになります。

 

保険に加入すると大切なお金を長期にわたり保険会社に支払うことになるので、保険会社の健全性を知っておくことは大切なことです。また、保険料(掛け金)の仕組みも理解することで保険を選ぶ際の参考になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

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