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不動産賃貸事業の法人化のメリット・デメリット
2019.10.01
個人で賃貸事業を営んでいるオーナー様が会社を設立し、その会社へ賃貸建物を譲渡して事業を営む手法(法人化)が増えてきました。今回は法人化のメリットとデメリットについてご紹介をしていきます。
まずは法人化が節税対策になるメリットから見ていきましょう。
メリット①所得税が節税できる
賃貸事業を法人化する最大のメリットは、毎年の所得税や住民税の節税が見込めることです。個人事業主の所得税は超過累進税率で、所得が増えるほど税率も上がります。ところが、法人税は比例税率であり、どんなに売上が計上されても税率は変わりません。
また、近年、諸外国との競争の観点から会社の法人税は優遇され始めてきています。一方で、個人の所得税は上がる傾向にあります。したがって、不動産賃貸業の所得が上がると、個人で事業を行うより、会社を設立して所得を分散させた方が税金を抑えられるのです。会社設立費用や設立後のランニングコストを加えると、一般的には、課税所得が800~1,000万円以上であれば法人化した方が有利になるといえます。
ポイント
オーナー様の家族(配偶者や子など)を会社の役員にして役員報酬を分散支給すると、それぞれ給与所得控除が使えることから、節税効果がさらに大きくなります。
メリット②相続税も節税になる
個人で賃貸事業を行う場合、毎年の所得は個人の財産として蓄積され、将来は相続財産として相続税の課税対象となります。法人を設立して、この所得を役員報酬という形で家族に分散することで、オーナー様の個人財産の増加を抑えられるのです。
また、将来の相続人である子は、これにより財産が形成できるため、相続税の納税資金として蓄えられます。
メリット③経費化の選択肢が多くなる
会社であれば様々な税金対策が可能になります。例えば、役員が個人で契約している掛け捨ての定期保険や医療保険です。会社でこれらに加入すれば、掛け金は全額会社の経費にできます。
また、中小企業基盤整備機構の「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」の掛け金は全額経費となります。最高で800万円まで積み立てることができ、40カ月以上加入すれば、解約時に掛け金が全額戻ってきます。その解約返戻金は全額益金となりますが、うまく使えば経費を平準化し、利益を繰り延べることが可能です。
一方で、デメリットについても見ていきましょう。
デメリット①会社設立費用がかかる
株式会社で25万円~30万円程度の費用、合同会社で10万円~15万円程度の費用がかかります。
デメリット②運営費用がかかる
会社の法人税申告は個人よりも必要な帳簿の記載事項が多く、内容もより詳細なものが要求されます。その結果、税理士などへ依頼した場合は、費用がかかってきます。また会社は、赤字の年であっても「均等割」という地方税が課税されます。
デメリット③不動産を移転する時は、不動産取得税などの負担がある
会社を設立して個人所有の賃貸不動産を会社に移転する場合、不動産取得税や所有権移転登記をする際に登録免許税がかかります。
ポイント
このほか司法書士に登記を依頼する場合は、別途費用がかかります。
デメリット④税務署の調査率が高い
所得税や法人税の申告をすると、その内容について税務調査が行われることがありますが、個人よりも法人の方が調査率は高めです。
デメリット⑤社会保険への加入が必要になる
会社の場合、社長1人であっても役員報酬を支払えば社会保険に強制加入となります。支払った役員報酬の約30%(会社と役員または従業員で折半)が社会保険料となるため、負担は決して少なくありません。
弊社では、提携の税理士と共にオーナー様の将来の税金(所得税・相続税など)のシミュレーションを実施し、かかるコストを考慮した上で、会社設立のメリットの有無を判断しています。まずは、お気軽にご相談ください。
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