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◎相談事例のご紹介◎

2018.07.06

全国相続サポートセンターで受け付けた相談事例をご紹介します。

 


【相談内容】
私は6ヶ月でA家に養子に出され、その後実父がBと再婚し本家に腹違いの弟妹が3人います。
実父が亡くなり遺産相続の時、本家長男(私の母違いの弟)の依頼を信用し言われるまま書類に押印しました。
その後念のため遺産分割協議書のコピーをもらったところ、私の取り分が他に比べ法律で認められた額よりかなり少ないことがわかりました。本家に呼ばれ、遺産分割協議書の具体的内容を知らされないまま(自分で法定相続分を主張できるような雰囲気ではなかった)実印を押しました本来ならBが1/2、3人の弟妹が2/14、私が1/14の権利があると思うのですが、すでに押印後のため今から異議申し立てはできませんか?

 

【回答】

遺産分割協議をやり直したいというケースは、大きく以下の2つの場合が考えられます。
①単に「後で考えると納得できない」という場合 ②法的に取消・無効を訴える場合


①単に納得できないという場合
法的には有効な遺産分割協議であっても、後から「納得できないからやり直したい」と考える場合があります。その場合、相続人全員の同意があれば協議をやり直すことができますが、1人でも反対する者がいればどうしようもありません。また、このような分割協議のやり直しは、税務上は相続による遺産分割ではなく相続人間での贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性があります。
②遺産分割協議の取消・無効を訴える場合
法的な取消・無効を訴えるには、法的に遺産分割が不成立だといえるほどの相当な理由、根拠がなければなりません。
例えば、
・遺産分割に関係のない者が参加していた
・一部の相続人が参加していなかった
・勝手に他の相続人に自分の実印を押印された
・意図的に全ての財産を知らされていなかった
・脅されて署名や捺印を強要された          などです。


相続人の1人が他の相続人を騙して、財産の総額をあえて少なく伝えて遺産分割協議を整えてしまった場合などは、「錯誤」による無効を主張できる可能性があります。この取消・無効を訴える場合でも、相続人全員の合意があれば特に裁判所を通すことなく遺産分割協議はやり直せます。ただし、このような場合に全ての相続人がやり直しを認めることは考えづらいため、最終的にはやはり家庭裁判所への訴えが必要になるでしょう。
そうなると法的な争いですから、当然証拠の提示がどの程度できるのかによって、訴えが認められるか否かが分かれます。なお、分割協議の無効によるやり直しであれば、①のように贈与税が課税されることはありません。


今回のケースが①②のどちらのケースにあたるのかは、詳細が不明なため判断できません。
いずれにしましてもケースバイケースでの判断となりますので、一度専門家に具体的にご相談されることをお勧めします。

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